DVやいじめから逃げにくい理由の学習性無力感とは?
最近、DVやいじめなど
たくさんのニュースが報道されていますね。
例えば、この事件などです。
そのニュースを見て
何故逃げたり、母親は助けなかったのだろうと思う人もいるでしょう。
実はそんな状況から
簡単に抜け出せない理由が
心理学的要因としてあるんですね。
それが今日解説します
『学習性無力感』と呼ばれるものについてです。
学習性無力感とは
長期間ストレスを回避困難な状況において受け続けると、その状況から逃れようとする努力すら行わないようになるという現象。
なぜ罰せられるのかわからない刺激が与えられる環境によって「何をやっても無駄だ」という意識が心の中に形成されてしまうと、学習に基づく無力感を生じ、それはうつ病に似た症状を示す。
つまりいじめやDVというのは日々行われる暴力や暴言などを
避けることが難しい状況において受け続けると、「自分はそういったダメな人間なん
だ」もしくは、殴られるのが当たり前なんだといった価値観を学習してしまうんです
ね。
学習性無力感の実験
じゃあ何故そのことが分かってきたのかというと
かつてセリグマンという人が行った有名な心理学実験があったからなんですね。
その内容は予告信号を送った後に床から電気ショックを犬に与えるというものです。
犬がいる部屋は、壁で仕切られていて予告信号の後に壁を飛び越せば電気ショックを回
避できるようにしました。
そしてセリグマンは実験では以下のAとB、2つのグループを用意しました。
A電気ショックを回避できない状況を用意し、その状況を経験した犬
B 足でパネルを押すことで電気ショックを終了させられる状況を経験した犬である。
実験の結果は、、、、
AとBのグループには明らかな違いが見てとれました。
Aのグループは、Bのグループに比べて回避に失敗したのです。
これは、Aのグループの犬たちが電気ショックと自分の行動が無関係であると
学習し思い込んでしまった為に、実験で回避できるような状況となってもなにもしなくなるんです。
対処法
ここまで学習性無力感についてみてきました。
じゃあ治したり防いだりできないのか?
いじめやDVなどと言った状況のまま何もできずに終わるのか?
いえいえ、そんなことはありません!
まずは小さなことからコツコツとやっていき自分を褒めていく。
どんな小さなことでも構いません!!
・いつもなら10分しか本を読まないけど今日は11分読んだ
・昨日より一回多く笑えた
・食べる量がいつもは多すぎるから、今日は少し減らして我慢した など
自分で自分の良さや今日の頑張りを発見する時間を取るんです。
いつも通りの日常において、健康に1日を終えられただけでも
とてもすごいことなので自分を褒めましょう。
自分には何もできないと思い込んでしまうことが学習性無力感に繋がるので、自己肯定感を高めていくことが大切です。
視野を広く持つ
今の環境に捉われすぎて何も打開策がないと思い込んでしまっている状態なので
・外部の人の話を聞く
・本を読む
・常に信頼できる人と連絡を取り合う
・専門家に相談する
自分がいる環境を当たり前だと思わずに、疑ってみる態度を身につけておくと便利かもしれません。
困った時に頼れる外との関係を持っておくことが何より大切です。
まとめ
以上のように、学習性無力感とは
長期間に及びストレスを回避しにくい状況にいると何もできないと思い込んでしまうも
ので、うつ病のような症状になる。
対策として
①小さな成功体験を積み重ねて自己肯定感を高めていくこと
②視野を広げ捉われすぎないようにしていくこと
上記二つのものをあげています。
ぜひ、実践してみてください。
自分を責めていくのではなく、自分を褒めいたわっていく姿勢が大切です。
※本当に辛くてどうしようもない時には、カウンセラーや
信頼できる機関に相談等されることをお勧めします。
参考になれば幸いです!